アシストコラム

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書道を通して得られたもの

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わたしは福島県郡山市で一人暮らしをしています。自分の障害と付き合い始めて、約15年になります。寝たきりもやむ無しの状態からリハビリ室に通うようになり、様々なリハビリを行いました。体を動かすことだけでなく、日常の生活に合わせた訓練もあり、キーボードを使った手の動作訓練や、今も趣味の一つになっているレザークラフトなどもありました。その中でも、書道をすすめてくださったOTの先生には本当に感謝しています。その時初めて書いた文字は、学生時代10年以上書道をやっていた人の文字とは、到底思えないような文字でした(笑)が、『あ、書けた!』という思いがありました。退院後も書道を続け、在宅で指導してくださる先生を探し、体調と相談しながら筆を持ち続けました。

そのような中いろいろなお話をいただき、作品展やプロの写真家の方との共同展などに参加しました。周りの方の協力と支援のおかげで、次は個展だ!となり、準備を進めている中で、2011.3.11の地震が起こりました。開催予定は2011年の4月でした。震災直後はライフラインも止まり、自分自身が生き抜くことに必死でした。幸い家屋などの被害はなく徐々に徐々に生活を取り戻していきました。もちろん個展は中止だろう・・と、あえて口にしなくても周囲の人も含めて思っていました。

しかし、会場のスタッフから、3月の終わりに連絡が入り、ぜひ開催して欲しい!少しでも明るい話題を!というお話があり、お受けしました。正直、このような状況下での開催はいいのだろうかと悩みましたが、今自分にできることを、そして周りで助けてくれた人たちへのお返しをするつもりで、決断しました。そこからは、今の気持ちを改めて作品に表現したいと考え、7割程作品を新たに作成し直しました。また、予定していた額が地震の影響で割れてしまい、改めて調達し直すなど走り回る日々が続き、あっという間に準備期は過ぎ去っていました。

当初の予定通り2011年の4月に、周りの方々の協力を得ることで無事、『想』という書展を開催できました。震災後、より一層に感じた『輪』や『絆』といったものを、表現しました。

書道を通して得られたもの 書道を通して得られたもの

芳名帳には『元気をもらえた』『勇気づけられた』など、恐縮してしまうほどの、言葉が残されていました。本来ならふさぎこんでしまうような状況の中、私自身が元気をもらい、多くの人とつながり、輪を感じた1か月となりました。

現在でも書道を続けており、弊社で毎年販売している年賀状の賀詞などの筆文字を提供しています。学生時代に書いていた文字はもう書けませんが、この体になって、表現できる今の書も大事にし、あのリハビリ室のぼっさぼっさの筆で(笑)書いた字は忘れずに、筆を持ち続けたいと思っています。

書道を通して得られたもの

イラストデザイングループ
CRPS(複合性局所疼痛症候群)
にっしー